[ステップ1]親子で科学 第2回 「水を吸う高分子」についての質問です。
[ステップ1] 親子で科学 第2回 「水を吸う高分子」(10/31開催、廣瀬卓司先生)の講義内容について、参加者の方から質問がありました。先生からの回答と合わせて公開いたします。
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質問—————————–
受信日時:2009/11/02 15:08
タイトル:保冷剤について
質問内容:保冷剤をみたら、「高吸水性樹脂・植物抽出物」とありました。高吸水性樹脂とは学習してきた高分子吸水材と同じものですか?
また、「内容物に植物抽出物を使用しているので、消臭剤としてもお使いいただけます」と書いてありました。高吸水性樹脂には消臭効果はないのですか?
お答え—————————–
送信日時:2009/11/07 13:06
回答者:廣瀬卓司
質問を送ってくれてありがとう。身の回りの科学、化学製品に興味を持ってくれてうれしく思います。
さて、質問の保冷剤に使われている「高吸水性樹脂」は、今回の「親子で科学」でお話した「高分子吸収材」と同じものだと思います。成分も同じ「ポリアクリル酸ナトリウム」が使われていることが多いと思います。最近、同じ材料を使った、電子レンジで温めて「湯たんぽ」のかわりにする製品が発売されています。どちらも水を吸収させた「高分子吸収材」が「温めにくく冷めにくい(比熱が大きい)」水を多く含んでいることを利用したものです。
「高分子吸収材」は水を吸収するだけで、消臭効果はありません。もちろん、高分子吸収材がおむつのように使われていれば、水にとける臭いの成分は一緒に吸収されて、臭いは薄くなります。しかし、普通の保冷剤はプラスチックの容器や袋の中に入っていると思いますので、その点でも消臭機能はないと思います。
ですから、あなたが見た保冷剤がどんなものか興味があります。時間があったら製品を教えて下さい。私達の方でも調べてみたいと思います。
(廣瀬卓司)
回答者:永澤 明
「消臭」とは何か?について補足します。
鼻の内部の粘膜にある臭いの感覚器官に、何らかの気体(ガス)が付くと「臭い」として感じます。だから原因になる気体を取り除くか薄くする(「濃度を下げる」と言います)ことで臭いがなくなる。それにはどういう方法があるでしょうか。
その気体を吸収する→ 水などに溶かしてしまう。
(例)アンモニアを水に溶かす。
その気体を吸着する→ 固体や粉などに臭いの原因となる気体を吸い付けてしまう。
(例)活性炭で臭いをとる。
その気体を包接する→ 高分子吸収剤のように分子のすきまに取り込むことをこう言います。
(例)冷蔵庫でつくった氷から、魚や肉や野菜の臭いがする。魚や肉からの「アミン」や、野菜からの「アルデヒド」などの気体が、氷の水分子の隙間に閉じ込められていて、氷を溶かすと出てくるのです。
その気体を化学変化させる→ 化学反応により別の物質に変えてしまう。
(例)放電でできるオゾンなどで脱臭するのは、臭いの気体を酸素と結びつけて別の物質にしてしまうからです。酸化という反応です。
もちろん、「風でふき飛ばす」方法や、「いやな臭いを感じなくする」ためのひとつとして「別の臭いを発生させてごまかす」という方法もありますが,これを消臭と呼ぶかどうか。
この「別の臭いを発生させてごまかす」という製品もあります。最近は少なくなったかもしれませんが。しかし、もともと香水はそのような目的でつくられたものです。何日も風呂に入らなかった昔のフランスなどの貴族の人々が体の臭いを隠すためにつくったものだそうです。
この大学には、卒業後香料会社に勤めたりする人もいます。香水のことをよくご存じの先生もいるので、いつかこの講座で話していただきましょう。
(永澤 明)